2021-08-22

60歳とは、消失と変容の始まり?

2021年8月22日、60歳になった。還暦だって。はるかな道を来たものだ。

中学1年生の時、3年生がえらく大人に見えて憧れたけど、いざ自分がなってみると、あのカッコいい先輩の片鱗は自分のどこを探してもなかったのをふと思い出す。まさに還暦の自分は、後ろに置いてきた時間の長さだけはわかるけど、いやいや実年齢としてはまったくピンと来ない。サザエさんのフネ母さんは50代なんだよな。年下…

テキスタイル基礎Ⅰのクラスを取って

今、武蔵野美術大学の通信課程で油絵を学んでいるが、夏はスクーリングが忙しい。今年は4週間の予定だったが、コロナの影響もあって、抽象彫刻とテキスタイルのクラスそれぞれ1週間ずつ取ることにした。テキスタイルの最終日が、ちょうど誕生日に重なり、良い記念になった。

タペストリー
視覚と触覚/消失と変容

視覚と触覚、消失と変容

クラスでは、織り機ではなく、油絵のキャンバス枠を代用してタペストリーを作った。

一つ目は「視覚と触覚」。選んだ花を(私はガーベラ)まず目で見て墨で描写する。その後、目を閉じて触った感じをクレヨンやコンテ、墨などいずれも無彩色で表現する。そこから切り取った部分を、麻糸や毛糸など、白〜きなりの色合いのもので小さめのタペストリーに仕上げる。ガーベラは、目を閉じて触ると、見た印象よりよほど逞しかった。花びらも思ったより硬く、自分の予想は簡単に裏切られたような感覚がとても新鮮だった。視覚が自分にもたらす情報の、なんとあやふやなことよ。

二つ目では、まず、インクで自分の名前を、4つ切りの画用紙に好きなように書く。選んだ色、字体、かなや漢字、それぞれの個性が出る。そこからさらに違う色を重ねたりして、もともとの名前を消失させる。色も筆致も混ざり合い、混沌の様相だ。そこから気に入った部分をトリミング、それをもとにタペストリーに仕上げてゆく。

60歳、これからの道をどう進むか?

これは自分のテーマでもあるが、ただの綺麗さだけではない、エネルギーがぶつかり合うようなさまを表現したかった。真夏に毛糸を扱うのもどうかと思うが、さまざまな色を何本も合わせて求める色を出すのはなかなかに難しかった。だが、求めていた「暑苦しいくらいの何か」は、立ち現れたと思う。

60歳の誕生日に、【消失と変容】というまさにドンピシャのお題を投げかけられたのは、偶然ではないだろう。一度、自分を消失させて、新たなる変容をきたすのが、還暦なのかもしれない。さてさて、これからどう進んでゆくんですか?と問われている気がする。






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