2019-08-29

『高橋秀+藤田桜・素敵なふたり』世田谷美術館

美大生のうちに、学割を最大限利用して美術展を探訪しまくろう、という企画、略して「美探」(正式入学は2019/10/1なので、実はまだ未学生のため一般料金1,000円…)。

栄えある1本目は、世田谷美術館で9/1まで開催の美術作家・高橋秀さん(89)&布貼り絵作家・藤田桜さん(94)夫妻の展示会。

後ろの宗教画のようなお二人

世田美は何度か行ったことがあるが、車では初めて。美術館専用の駐車場があり、展示会の半券を見せるか、カフェ利用などで無料になるというからありがたや。駐車場から5分ほど砧公園を歩いたところに美術館はある。

会場に入ると、いきなり高橋氏の大きな作品、
吽−黒/禅、またはブラックホール/吽−黒 
三部作が出迎えてくれた。砧公園の緑がアクセントとなって、吸い込まれそうな雰囲気だった。

また、藤田桜さんが37年間手がけてきたという『よいこのくに』表紙画をはじめ圧巻の作品数には、その手間暇や色使い、アイディアの源泉などを思うとただただ頭が下がる思いだった。

高橋氏は、画壇の芥川賞と言われる安井賞の第5回受賞者で、その作品『月の道』を見られたことは本当にラッキーだ。若き日の作品も、重厚で当時の日本画壇の新しい潮流を感じることができた。

ただ、氏は日本画壇のありように懐疑も持ち始めていたとのことで、夫妻はその後イタリアに渡り、41年間彼の地で制作を続けたとのこと。高橋氏の作風が、渡伊前後で全く変わったのが本当に印象的だった。

見終わって、実は何か因縁めいたものを感じた。というのも、藤田桜さんと我が師・臼井都は同い年で、臼井都のパートナーだった中本達也も第3回安井賞を受賞している。しかも、1963年から64年、中本・臼井夫妻もイタリアに滞在しており、やはりその前後で中本の作風が大きく変わっていることなど、作家夫婦の共通点を色々見出しては想像を膨らませた。

世田谷で、二人の作品展が開催されたというのも意義深いことだと思う。高橋・藤田夫妻が新婚時代を過ごしたのが世田谷区ということで、今回の企画につながったと説明文にあった。

中本・臼井夫妻も、戦後すぐに国立市に居を構え、多くの子供たちに絵を教えててきた。1973年に中本が脳腫瘍で亡なってからも、臼井都は最近まで絵画教室と自身の制作を続けた。なので、国立市には深い深いゆかりがある。教え子としては、高橋−藤田両氏のように、中本達也−臼井都の二人展が国立市でできたら良いのにな、とただ羨ましい限りだった。

世田谷美術館での展示は9月1日で終わるが、今後は岡山、兵庫、倉敷でも順次開催される。また、同時開催のコレクション展『森芳雄と仲間たち』も見応えがあり、色々とインスパイアされる内容だった。

最後に、高橋氏の言葉で、深く心に響いたものがあったので紹介する。

美術作家としての私の心情は、アートの意義は生活者のために存在し、鑑賞者に今、生きている確信をあたえ、暮らしの中にたおやかな想いを、安らぎを、励ましを、心豊かな広がりをもたらすものであるべきと。楽しまなくっちゃ。

高橋秀ごあいさつより

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セタビには、レストランとカフェがあり、見たあとカフェでランチ。2種のキッシュと冷製コーンスープ、950円。美味なり。こういうのも評価高しだな、と思う。テラス席はワンちゃんもOKのようで、砧公園で散歩して、ちょっとお茶なんて、セタビ、世田谷区、いいなぁ。。

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